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をみやした一片(いつへん)の雲(くも)自西(にしより)自東(ひんがしより)といふ語(ご)さ。
ひやうぐもようござりやした。天地はやつぱりふと
じけだか。風帯(ふうたい)一文字はあんらくあんさ《箱:ゑん》をれ
にゆづつてくれめへかの《箱:しあん》はなしやすめへよ
《箱:喜の》角町の惣六がかうらいの御所丸(ごしよまる)きんかいを
もつていやしたつけ。品川(しながわ)の万千(ばんせん)がもつている
松花堂(せうくわどう)のほていはとんだ出来のいゝものさ。万千(ばんせん)
といへばモシまだおめへさんにはなさねへが。柳郊(りうこう)
さんか村田屋て大いろごとさ。何とかいふ女郎で
ござりやした。此比は村田屋の部屋は扇屋といふ
もので。万千もおつぬもうたをよみやす《箱:ゑん》
あそこのその哥といふ女郎をおれがかつたよ新宿
からこした橋成は又あつちへかへつたそふだの。おいろ
といふいゝ女郎があつたつけ。妙国寺(めうこくじ)の仁王にてふ
ちんがあがつていたつけ《箱:喜の》たゞあさのけしきばかり
の所だよ。問屋ばて馬(むま)のいなゝくにはあやまる