翻刻
しづか玉屋のゑましむぎ。こいしはつけめさ《箱:しあん》
丁子屋じやあねへが。はてなといゝてへ所だ《箱:喜の》
はやり言葉もあぢなものだ。ちよつといゝだすと
むしやうにはやるよ。此ごろのはやりは扇屋のき
うふさん。丁子やがはてな。ぶしやれまいそ。おたの
しみざんす。松ばやがじやあおつせんか。玉やの
おのくび。大文字やのしらァんもよくいふよ。
さまといふ事をせといゝやす。ゑちぜんやは
しんにといふことをたんといふね《箱:ゑん》丁子やの日(につ)
てんさんと。きれいでざんすよと。松ばやの山寺と。
さかことは。いつの間にかすたつたの《箱:喜の》今でもぼ
う〴〵ていふものは。しつたかさ《箱:しあん》おちさんお
めへはよくしつてるだろう。大かなやの正月の仕着(しきせ)
はなんだつけの《箱:おちせ》たしか地が黒で色入の花た
てわき。角のつたやが鷹(たか)のもやうさ。わかなや
が若松にかすみ。中あふみやが花ごうしでござり