← 前のページ
ページ 28 / 191
次のページ →
翻刻
【右丁】
しと諸(しよ)人あふき奉りし時千萬御したい在(まし)まししかとも
終(つい)に御位につけ奉りて後 偏(ひとへ)にる人の故郷(こきやう)をしたふごとく
御出家ありし時のふるきすみかをつねに御涙とともにこひ
給ふとなり
§五 ふるきためしを以て右の道理を極むる事
◦【朱記】されは現世にて達する事叶はさるたのしみをもとめんとす
るまよひのはなはたふかき事をあきらめんが為□今一ツの□【道?】
理をきけ惣じて物のたつするといふはたゝ一ツもかけたる□【事?】
なく萬事にたつせすんはあるへからずみな人のし□るごと□【く?】
極(きはま)りたるたのしみに□んか為にはによい満足の位を□【以下欠落】
【左丁】
萬事に休息(きうそく)なくして□はす少□【な?】りとも心にまかせぬ□【以下欠落】
□をひては千ゝの悦ひも何のゑきぞいにしへより□【今?】に至る□
ていくばくの人か 官位(くはんゐ)ほうろく身にあまり思□【ひ?】のまゝにふる
まふといへどもいまだ一ツの望みたつせざるにに□て千万の
好事(かうじ)もかひなくかなしみの 底(そこ)にしづみたる事あり萬事
を持たる計にてもいまたたつするといふ事なし萬事の
のぞみをうちやめて心やすく何たる思ひもなくあんどに
ぢうするこそたのしみなれいかなる天子 将軍(しやうぐん)なりといふとも
老病(らうびやう)死苦(しく)を初めとして衆苦(しゆく)じうまんの世界なればいか
でかたのしみを極むるといふ□あ□□□□れあん□【ら?】くの極め