キリシタン関連史料を翻刻

コレクション: コレクション1

Barb.or.153.pt.A - 翻刻

Barb.or.153.pt.A - ページ 51

ページ: 51

翻刻

  あたを□【な】す事□【叶】はぬやう□【に】し給ふによて   大きにくるすををそれ奉也○たとへをも   て是を云ばつながれたるとらおほかめは彼等   がそばによる者にのみくいつくがごとく   御主ぜずきりしとくるすの上にをひて   天狗をからめたまひてより後は科を以て   天狗のそばによる者にのみあたをなす   なり何れのもるたる科なりともをかす時   は天狗のそばにたちより科をすてんと   する時天狗のそばよりしりぞく也此等   の事皆くるすにて死給ふ御主ぜずき   りしとの御功力を以て出来たると天狗   はよく知たるによて大きにくるすををそ   るゝ也さんぜらうにもの宣はくいぬはう 【□箇所は、東京大学附属図書館蔵本(別本)を参照し注記。以下コマ同】 【https://iiif.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/repo/s/christian/document/394c6988-9bd0-4adc-8c3c-4e05cb02b6a2#?c=0&m=0&s=0&cv=0&xywh=-166%2C-1%2C2011%2C1200】 【キリシタン関連資料 ドチリナ・キリシタン 11コマ16行目参照】

現代語訳

害を為すことが叶わぬようにし給うによって、大いに十字を恐れ奉るのです。○譬えを以ってこれを言えば、繋がれた虎や狼は、彼等の傍に寄る者にのみ噛みつくが如く、御主ゼズ・キリシトが十字の上において天狗を絡め給いてより後は、罪を以て天狗の傍に寄る者にのみ害を為すのです。何れの軽微な罪なりとも犯す時は天狗の傍に立ち寄り、罪を捨てんとする時天狗の傍より退くのです。これ等のことは皆十字にて死に給う御主ゼズ・キリシトの御功力を以て出来たると天狗はよく知りたるによって、大いに十字を恐るるのです。サン・ゼラウニモス宣わく、「犬は追

英語訳

they cannot cause harm, so they greatly fear the cross. ○ To explain this with a parable: just as chained tigers and wolves can only bite those who come near them, after our Lord Jesus Christ bound the demons upon the cross, they can only harm those who approach them through sin. When one commits even the slightest sin, they draw near to the demons, and when they seek to abandon sin, they withdraw from the demons' proximity. The demons well know that all these things came about through the divine power of our Lord Jesus Christ who died upon the cross, therefore they greatly fear the cross. Saint Jerome declares: "Dogs chase