キリシタン関連史料を翻刻

コレクション: コレクション1

切支丹御退治記 49巻. [1] - 翻刻

切支丹御退治記 49巻. [1] - ページ 6

ページ: 6

翻刻

【右丁】  より遣はされたる 上使の筆記より諸家  の家人或ひは陣屋を仮て働きたる諸浪人  の覚書或ひは家々の系譜等を集て尤その  証とすへきものをとれり 一武家閑談武辺咄落穂集老士語録等の漫録  雑書の中島原の事件に渉るものあれは尽  く抄録してこれを収む 一耶蘇天誅記以下既に編修を経たるものも  其事実証とすへくして諸家の記録筆記に  もらせるものは往々取て其闕を補ふもの 【左丁】  あり 一切支丹の字はしめ吉利支丹の字を用ゆ後  御諱を避たてまつりて切支丹の字に改む  故に採用する所の書当時筆記のまゝにし  て改書せさるものあり伝写の時追改する  ものあり只原本の文字に随ひてこれをあ  らためす又すべて採録する所の書元文真  行仮字を以てしるしたるは尽く平仮字に  改書し漢字を以てしるしたるはこれをあ  らためす

現代語訳

【右丁】 より派遣された上使の筆記から、諸家の家臣あるいは陣屋を借りて働いた諸浪人の覚書、あるいは各家の系譜等を集めて、最もその証拠とすべきものを取り入れた。 一、『武家閑談』『武辺咄』『落穂集』『老士語録』等の漫録・雑書の中で島原の事件に関わるものがあれば、すべて抄録してこれを収録する。 一、『耶蘇天誅記』以下、既に編修を経たものも、その事実を証拠とすべきで、諸家の記録・筆記に漏れているものは、往々にして取り入れてその欠けた部分を補うものが 【左丁】 ある。 一、切支丹の字は、初めは吉利支丹の字を用いていたが、後に御諱を避け奉って切支丹の字に改めた。故に採用するところの書物で、当時の筆記のままにして改書しないものがあり、伝写の時に追って改めるものがある。ただし原本の文字に従ってこれを改めない。また、すべて採録するところの書物で、元の文が真名・行書・仮字をもって記したものは、すべて平仮名に改書し、漢字をもって記したものはこれを改めない。