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【右丁】
に引痛(ひきいたみ)陰嚢(いんのう)腫(はれ)大(おほい)に偏墜(へんつい)とて陰嚢(いんのう)偏(かた〳〵)大(おほい)なり其外(そのほか)
種々(しゆ〳〵)の症候(しやうこう)を為(なす)事あり病源論(ひやうけんろん)には諸(もろ〳〵)の疝気(せんき)は気血(きけつ)
虚弱(きよしやく)にして寒気(かんき)風冷(ふうれい)腹内(ふくない)に入(いり)て是を致(いたす)といへり又
或(あるひ)は湿熱(しつねつ)と為(し)或(あるひ)は怒気(どき)肝(かん)を傷(やふり)房労(はうらう)腎(じん)を傷(やふり)て是を
致(いたす)といへり又 五疝(こせん)七疝(しちせん)の名(な)あり古来(こらい)の説(せつ)疝気(せんき)は総(すへ)て
寒(かん)に因(よる)と云(いふ)といへとも丹渓(たんけい)の説(せつ)には疝気(せんき)は寒(かん)に因(よる)と云(いふ)と
いへとも寒(かん)を得(え)氷(こほり)を踏(ふみ)水(みつ)を渉(わたり)て是を病(やま)ざる者(もの)あり是 其(その)
素(もと)熱(ねつ)なきゆへなり疝気(せんき)は始(はしめ)湿熱(しつねつ)ありて其上(そのうへ)に外寒(くわいかん)
に感(かん)ずるゆへに此症(このしやう)を為(なす)其(その)熱為事(ねつをなすこと)は醉飽(すいはう)房労(はうらう)又は大(おほい)
【左丁】
に怒(いかる)によりて胃火(ゐくは)腎火(じんくは)肝火(かんくは)を起(をこす)といへり凡(をよそ)火(ひ)を妄(まう)
動(どう)する事は種々(しゆ〳〵)なりといへとも疝気(せんき)は肝腎(かんしん)二経(にけい)の病(やまひ)な
れは欲火(よくくは)に因(よる)とする事 理(り)に近(ちか)し世(よ)に腰(こし)の痛(いたむ)者(もの)を
総(すへ)て疝気(せんき)なりといへりされとも腰痛(ようつう)は只(たゝ)腎虚(じんきよ)に因(よる)事
多(おほ)し内経(たいきやう)に腰(こし)転揺(めくりうごく)事あたはざるは腎(しん)将(まさ)に憊(つかれん)とすと
いへり徐春甫(じよしゆんぼ)の言(こと)に余(われ)年少(としわかき)時(とき)常(つね)に腰痛(こしいたむ)事(こと)ありて
房室(はうしつ)の害(かい)なる事を知(しら)ず其後(そのゝち)多(おほく)江湖(かうこ)の間(あひた)に遊(あそひ)て欲(よく)
事(じ)漸(やうやく)稀(まれ)にして腰痛(ようつう)も亦(また)稀(まれ)なり又 其後(そのゝち)古今医統(ここんいとう)
の書(しよ)を集(あつむ)るによりて病人(ひやうにん)を視(みる)の外(ほか)少(すこし)の暇(いとま)もあらざれは
現代語訳
【右丁】
に引きつるような痛みがあり、陰嚢が腫れて大きくなったり、偏墜といって陰嚢が片方だけ大きくなったりする。その他にも種々の症候を呈することがある。『病源論』には、諸々の疝気は気血が虚弱で、寒気や風冷が腹内に入って起こると言っている。また、あるいは湿熱によるもの、あるいは怒りが肝を傷つけ、房事の過労が腎を傷つけて起こるとも言っている。また五疝・七疝の名称がある。古来の説では疝気は総て寒によると言うけれども、丹渓の説では、疝気は寒によると言うけれども、寒さに遭い氷を踏み水を渡ってもこの病気にならない者がいる。これはその人が元来熱がないからである。疝気は初めに湿熱があって、その上に外寒に感じるゆえにこの症状となる。その熱を生じることは、酔飽・房労または大いに
【左丁】
怒ることによって胃火・腎火・肝火を起こすと言っている。およそ火を妄動させることは種々あると言うけれども、疝気は肝腎二経の病であるから、欲火によるとすることは理にかなっている。世間では腰の痛む者を総て疝気だと言っているけれども、腰痛は単に腎虚によることが多い。『内経』に「腰が回転揺動できないのは腎がまさに疲弊しようとしている」と言っている。徐春甫の言葉に「私は年少の時、常に腰痛があって房室の害であることを知らず、その後多く江湖の間に遊んで欲事が次第に稀になって腰痛もまた稀になった。またその後『古今医統』の書を集めることによって病人を診る以外は少しの暇もなければ
英語訳
【Right page】
pulling pain, and the scrotum swells and enlarges, or there is "偏墜" (partial prolapse) where the scrotum becomes enlarged on one side. In addition, various other symptoms may manifest. The "Treatise on Disease Origins" states that various hernia qi conditions occur when qi and blood are weak and cold qi or wind-cold enters the abdomen. It also says they may be caused by damp-heat, or by anger injuring the liver, or sexual overexertion injuring the kidneys. There are also names for five hernias and seven hernias. Ancient theories say that hernia qi is generally caused by cold, but according to Danxi's theory, although hernia qi is said to be caused by cold, there are those who encounter cold, step on ice, and cross water without contracting this disease. This is because they originally have no heat. Hernia qi first has damp-heat, and then encounters external cold, thus producing this condition. The generation of heat is due to drunken satiation, sexual overexertion, or great
【Left page】
anger, which stirs up stomach fire, kidney fire, and liver fire, it is said. In general, there are various ways fire moves wildly, but since hernia qi is a disease of the liver and kidney meridians, attributing it to desire-fire is reasonable. In the world, people generally call all those with lower back pain "hernia qi," but lower back pain is often simply due to kidney deficiency. The "Inner Classic" says "when the lower back cannot turn and move, the kidneys are about to become exhausted." Xu Chunfu said: "When I was young, I often had lower back pain and did not know it was the harm of sexual activity. Later, I traveled much in the rivers and lakes, and as sexual desires gradually became rare, lower back pain also became rare. Later still, by collecting books like the 'Ancient and Modern Medical Compendium' and having no spare time other than examining patients,