翻刻
寒をシトテノウ 船をセウツナ 大工をマシテレヲイ 鍛冶をコチナイシ 鋤(スキ)サストウ
刃物(ハモノ)をノウセキ 椀をチヤアシカ 盃をリヨンヤ 茶碗を《割書:チヤユ|チヤアシカ》 酒をウサナ
米 麦 コロハ 牛(ウシ)をコロフ 馬をコウニ 鍋(ナベ)をコチヨロ
茶チヤ《割書:日本と|同し》 紙をフマナカ 筆《割書:鳥の羽にて|手なり》 墨チリニサ 羅蔔(ダイコン)ウヰチカ
胡羅蔔(ニンジン)モロコウ 子葱(ネキ)ロフコ ■(タハゴ)をタンバアコきせるをトロフコ 金きせる ガンザ
石ノきせるも有
早(ハヤグ)をスコロ 寝(ネル)るをスツハリ 起(ヲキル)をシタワイ 座敷コウレンス 花は《割書:日本と同し|タンホヽ花計》
《割書:咲也| 》
障子(セウジ)ヲコシカ 莚(ムシロ)ロワコウシカ 枕ホトシカ 博奕(バクエキ)のかるた有名をカアウルタ
日本と同し
竹は一切なし
一私ともヲロシヤ国へ漂着いたしヲンテライツケと申所より商船に而都の方
近き所へ参り候も商船の船頭に助られ候ゆへ也帝王聞召喜せ給ひ
彼ノ船頭被召出日本人を助たる為御賞ヲロシヤ中商人の惣頭に
被仰付候事私ともビゼリボロカ出立の時此商人の家へ被越助られたる
礼を致此家にて一宿致し翌日此所を出立也
一日本にて霊魂(リウコン)祭りとて七月有けるにヲロシヤ国に而も魂(タマ)祭り成か
六月之内家内不残 菩提(ボダイ)所寺へへ詣(モウテ)ける也日本の様に盆棚へ仏を
かさり祭る事はなし
一他国より戦(タヽガイ)船押寄来る事を防(フセキ)のため備船(ソナイフネ)とて百尋余 五階(コガイ)に造(ツクリ)
石火矢弐百六拾弐挺仕掛ヶたり乗り出す時は千五百人乗りのよし麻