翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

外国漂流記 - 翻刻

外国漂流記 - ページ 32

ページ: 32

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  是より戌亥と走れは小人嶋へ行く也辰巳と走れは女人嶋へ行諸国   外国の方へゆびさし教けれとも是を不覚也何れも遠国なる由私   とも長崎へ着致候節御奉行所へ被召出御尋之上大人国の義を申上候処   其国出船間もなく海中に水色替り真水なる所を見当不申やと御尋   御取候処見当不申と答其海上に天竺(テンヂグ)龍砂川(リウシヤカワ)とて有心付すして   見当ましと仰有大人国は天竺の内成と仰有 一マリケヰツケ   一此所へ子ノ四月四日に着大人国是也人の長七尺四五寸ゟ八尺迄有り女も六尺   余殊之外 暖(ダン)国にて丸はたかにて衣類一円不着男は下帯もせす男(ナン)   根(コン)の先を糸にて結ひ置也女人は腰に細き糸を結ひ廻り其糸に   木の葉草の葉をかけて腰巻とする也しかる所此草の葉をとりて   不儀あれは夫と見付是をゆるさす女人嶋へ流罪に行也又草のをとらず   犯(ヲカ)させしは内分にて済すといふ   一住家もなく川水に入て居也水につかれたる時岩間に入ねるなり   骸(カバネ)は色々の模様(モヨウ)を入墨して是を衣装とする也食物は■の   実(ミ)を喰也椰子多有て是を常の喰とす此国の人往古は食物に   飢(ウエ)たる時は親子兄弟たり共 討殺(ウヂコロシ)喰と言伝しか近年其事 止(ヤミ)て   親子兄弟なりとも死たる者は其 死骸(シガイ)切 割(ハリ)皆〳〵寄りて   配分して食と云也然は鬼人のことくなる国也私共此所へ着則   水取可申しと寄り申し候処水 溜桶(タメヲケ)を船よりあけ水を汲(クミ)入候所桶数