翻刻
申し上げ候得は早々右船乗戻し又壱艘出て右船掛り場を案内致伊王嶋
といふ所へ碇を入滞船致居候所其夜より長崎の御備厳重成候事
難言語述ヲロシヤ人も■々日本といふ所は厳成備成と申しける也
一薩摩様■船三百艘御人数三千人
一筑前様 同断
一秋月様■船百五拾艘御人数千五百人
其外御大名御 并長崎兼而之御備共
右御備
■船はヲロシヤ船取巻て幕を張り夜中は壱艘に数々烑燈を付陸は
篝(カヽリ)を焚野陣を張壱間に灯燈壱つ其町中に而付海上ゟ陸迄万 燈(トウ)の
こと〳〵如 白昼(ハクチウ)
一をろヲロシヤ人逗留中御上より米の餅ぞう煮にいたし種々の魚鳥を入
ヲロシヤ人御振舞被遊候処ヲロシヤ人はし付致し弐口三口たべ候得は同音に
ソニザ〳〵といふ又はキリヤマア〳〵といふてくはぬ也此事いかんと
いふに米の餅生てより始て喰のみならす咽(ノド)へつまりてくはれぬといふ
もありふたん食時はそく死をいたさんといふもあり■々おか敷
事とも也
ヲロシヤ船え被御渡候御品数