翻刻
【右丁】
行ケ共〳〵嶋もなく朝夕日月の出入にすこし
山を見れども一向見へず日月ハ只海ゟ出テ海へ
入ける誠にせひも力もつき果て■【頼ヵ】の綱は
■【信ヵ泣ヵ】計り是悲になり【及ハ】ぬ■■まなり【?】扨是より内■■■【廿一日ゟヵ】
銘々不断信心致ス所の神■■【々又ハ】大患大悲の
仏菩薩に祈乞ひを立髪を切払ひ祈り歎ぞ
殊勝なりかく十四五日も東へ帆■候へ共山も地も
【左丁】
なきにつき帆を下け一心ふらん神仏を祈り候
御加護にや十二月十日風替り東より吹此時皆々
悦び帆ハ云ふに及ばす■式【或】ハ風呂しきなど
ゆり出に拵へ悦び勇も道理なり夜〳〵
北風吹起り浪高く舷【艫】表上棚打さく計り
■【甚ヵ】屋へ打当る浪今も破船に及ぶか■気も魂も
其人【きへ?】いる計り心細人も伏にけりかくと十日計りも