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家之家老を召給ひ内膳殿被仰けるは味方を大
勢討せては縦城を乗取而も無益事と了簡
して仕寄を申付るといへとも諸軍勢城を打囲
み徒らと日を送らは関東之御沙汰も悪かるべし
然らは明日元日之暁に諸手一同に可攻入迚重而
禁令を施行せらる其趣に曰
條々
一明七つ時分ゟ人数を出し相図之石火矢打次
第鉄炮を打せ時之声を上け乗可申事
一人数出候時陣中騒敷無之様に堅可申付事
一大将外歩行立たる扁き事
一相印角取紙左之肩に付可申事
一相言葉さいたさいと答可申事
一自跡鉄炮為打申間敷之事
一小屋之火を士志免し小屋番堅可申付事
極月晦日 石谷十蔵
板倉内膳正
かくて有馬内記本陣へ馳来り上使之仰を忠
郷に申聞て禁令之一紙を御目に掛け連は番頭
之面々其外諸奉行諸物頭を召て明朝城を
現代語訳
諸家の家老を召し集め、内膳殿が仰せになるには「味方を大勢討ち死にさせては、たとえ城を乗り取っても無益なことだと了見して仕寄(包囲攻撃)を申し付けているとはいえ、諸軍勢が城を取り囲んでいたずらに日を送っては、関東(江戸幕府)の御沙汰も悪いであろう。それならば明日元日の暁に諸手一同に攻め入るべし」として、重ねて禁令を施行された。その趣旨は以下の通りである。
条々
一、明朝七つ時分(午前4時頃)から人数を出し、合図の石火矢(狼煙)を打ち、次第に鉄砲を撃たせ、鬨の声を上げて攻め入るべきこと
一、人数を出す時、陣中が騒がしくならないよう堅く申し付けること
一、大将以外は歩行で立つべからざること
一、相印として角取紙を左の肩に付けるべきこと
一、合言葉は「さいた」、答えは「さい」と申すべきこと
一、味方に向けて鉄砲を撃ってはならないこと
一、小屋の火は消してはならず、小屋番を堅く申し付けること
極月晦日(十二月三十一日) 石谷十蔵
板倉内膳正
こうして有馬内記が本陣へ駆け来たり、上使の仰せを忠郷に申し聞かせて、禁令の一紙を御目にかけた。連絡を受けて番頭の面々その外諸奉行・諸物頭を召して、明朝城を