翻刻
【柱】 趣向帳 廿五
○蚫てんがく《割書:しようゆやき|さんせう》
秋
○鮭塩焼 ○鮎 いろ付焼
○鰍塩焼《割書:山椒醤油を| ひきて》 ○《割書:小鳥焼て|かまほこ》 取合
冬
○酒煎鰤 ○鳩 やき鳥
○《割書:雀 やき鳥|鰯》 取合 ○鮭《割書:白干|うすみそ焼》
○鯔《割書:さんしやう| みそやき》
右四季の献立は近世の会席よろしきを書集てしつほく
になをし用ひけり惣して料理は其時々の見合肝要なり
如此同々にわかち記すといへとも前にもいふごとくあなかちに
此書になつむことなかれたとへは冬の物は皆あたゝめあたゝか
なる中に一つつめたき物あるもおもしろき也此意味をよく〳〵
さとり給ふべし四季の菓類菜類菌茸■類何にても
貯へもの珍らしくつかふ事馳走なり然れとも珍らしきとて
名のしれぬ物時ならぬ物けいぶつとて遣ふも無礼なり時節
ならずといへとも地中にもとめて遣ふべしたとへは土筆は春也
これを冬つかふ事也余は是に准へしるべし
精進会席しつほく献立
正月
○煎酒《割書:いちこもどき 岩たけ|あげ麩 防風 わさひ》 ○煎酒《割書:うと 木くらけ 椎茸|あけこんにやく わさび》
【柱】 趣向帳 廿六