琉球・沖縄の世界を翻刻する

コレクション: ハワイ大学所蔵 阪巻・宝玲文庫 vol. 1

中山伝信録 巻一 - 翻刻

中山伝信録 巻一 - ページ 33

ページ: 33

翻刻

  _レ爽(タガハ)。萬 ̄ニ無_二行-舟 ̄ノ之理_一。二-月-中 ̄ハ則多_レ霧。龍出_レ ̄ツ海 ̄ヲ矣。然 ̄トモ春-   風和-緩。茲 ̄ノ-役親 ̄シク驗_レ ̄ロム之 ̄ヲ。浪無_下從_二 ̄リ船-上_一過 ̄クル者_上。殆 ̄ント遠 ̄ク勝_二 ̄レリ於   冬-至前-後_一 ̄ニ也。海-船 ̄ノ老-夥-長言 ̄フ。十-月二-十-日 ̄ノ後。東-風   送_レ ̄ルヲ順爲_レ吉 ̄ト。葆-光在_二 ̄テ琉-球_一 ̄ニ。無_下日 ̄トシテ不_上レ ̄ルヿ占_二 ̄ハ風 ̄ノ所_一レ ̄ヲ向 ̄フ。歷_二-考 ̄スルニ數-   月内_一 ̄ヲ。風自_レ東來 ̄テ不_二 ̄ル間-斷_一 ̄セ者 ̄ハ。惟〱十-月二-十-日 ̄ノ後。十-一-   月初-五-日 ̄ノ前。半-月-中 ̄ヲ爲_レ然 ̄ト。因 ̄テ考 ̄ルニ陳-侃以-來。惟〱蕭-崇-   業之歸_レ ̄ル閩 ̄ニ。較〱爲_二安-吉_一 ̄ト。其 ̄ノ出_レ海日-期 ̄ハ。乃十-月二-十-四   日。爲_レ不_レ ̄ト誣 ̄ヒ也。附_レ ̄シテ此 ̄ニ以告_二 ̄ク後 ̄ノ來-者_一 ̄ニ。   風-信  淸-明 ̄ノ後。地-氣自_レ ̄シテ南而北 ̄スレハ。則南-風 ̄ヲ爲_レ常 ̄ト。霜-降 ̄ノ後地-氣自  _レ北而南 ̄スレハ。則北-風 ̄ヲ爲_レ常 ̄ト。若反_二 ̄スレハ其 ̄ノ常_一 ̄ニ。則颱颶將_レ作 ̄ント。 風大 ̄ニシテ  而烈 ̄シキ-者 ̄ヲ爲_レ颶 ̄ト。又甚 ̄キ者 ̄ヲ爲_レ颱 ̄ト。颶 ̄ハ常 ̄ニ驟 ̄カニ-發 ̄コリ。颱 ̄ハ則有_レ漸。颶 ̄ハ或 ̄ハ  瞬 ̄ニ-發 ̄ン焂 ̄ニ-止 ̄ム。颱 ̄ハ則連_二 ̄ヌ日-夜_一 ̄ヲ。或 ̄ハ數-日不_レ止 ̄ニ。大-約正-二-三-四-  月 ̄ヲ爲_レ颶。五-六-七-八-月 ̄ヲ爲_レ颱 ̄ト。九-月 ̄ハ則北-風初 ̄テ烈 ̄シ。或 ̄ハ至_二 ̄ル連-  月_一 ̄ニ。俗稱_二 ̄ス九-降-風_一 ̄ト。間〱或 ̄ハ有_レ ̄レハ颱。則驟 ̄カニ-至 ̄ルヿ如_二春-颱_一 ̄ノ。船在_二 ̄テ洋-中_一 ̄ニ。  遇_レ ̄フハ颶 ̄ニ猶可_レ ̄シ爲。遇_レ ̄ハ颱 ̄ニ不_レ可_レ當矣。 十-月以-後。北-風常 ̄ニ作 ̄ル。  然 ̄トモ颱颶無_二定-期_一。舟-人視_二 ̄テ風-隙_一 ̄ヲ以往-來 ̄ス。五-六-七-八-月應  _レ屬_二 ̄ス南-風_一 ̄ニ。颱將_レ ̄レハ發 ̄ント。則北-風先-至 ̄リ。轉 ̄シテ而東-南 ̄シ。又轉 ̄シテ而南 ̄シ。又

現代語訳

違わない。全く行舟の理がない。二月中は霧が多く、龍が海から出る。しかし春風は和緩である。この任務で親しく之を験したが、浪が船上を過ぎるものはなく、殆ど冬至前後よりも遥かに勝っている。海船の老練な船長が言うには、十月二十日の後、東風が順風として送ってくれるのが吉である、と。葆光が琉球にいる間、日として風の向かう所を占わないことはなかった。数ヶ月間を歴考するに、風が東から来て間断しないのは、ただ十月二十日の後、十一月初五日の前、半月の間のみであった。因って考えるに、陳侃以来、ただ蕭崇業の閩への帰還が、比較的安吉であった。その出海の日期は、すなわち十月二十四日である。偽りではない。此に附して後の来者に告ぐ。 風信 清明の後、地気が南から北へ向かえば、南風が常となる。霜降の後、地気が北から南へ向かえば、北風が常となる。もしその常に反すれば、颱颶が起ころうとする兆しである。風が大きくて烈しいものを颶という。また甚だしいものを颱という。颶は常に驟かに発し、颱は則ち漸がある。颶は或いは瞬間に発して忽ちに止むが、颱は則ち日夜を連ね、或いは数日止まない。大約正月・二月・三月・四月を颶とし、五月・六月・七月・八月を颱とする。九月は則ち北風が初めて烈しくなり、或いは連月に至る。俗に九降風と称す。間々或いは颱があれば、春颱のように驟かに至る。船が洋中にあって、颶に遇うのはまだ為し得るが、颱に遇えば当たり難い。十月以後、北風が常に作る。しかし颱颶に定期はない。舟人は風隙を視て往来する。五月・六月・七月・八月は南風に属すべきである。颱が発しようとすれば、北風が先に至り、転じて東南となり、また転じて南となり、また