翻刻
保_レ ̄ツ無_レ ̄キヿヲ虞 ̄リ。
今 ̄ノ封-舟開_レ ̄キ洋 ̄ヲ。風少 ̄シク偏-東 ̄ス。禱 ̄レハ立 ̄ロニ-正 ̄シ。多 ̄ク用_二 ̄ヒ卯-針_一 ̄ヲ。船-身太-下 ̄テ。
幾 ̄ント至_二 ̄ル落-漈_一 ̄ニ。遂 ̄ニ䖍-禱 ̄シテ得_三攺 ̄テ用_二 ̄ヿヲ乙-辰-針_一 ̄ヲ。又筊-許 ̄ス二-十-八-日
見_レ ̄ンヿヲ山 ̄ヲ。果 ̄シテ見_二 ̄ル葉-壁_一 ̄ヲ。船-下 ̄ルヿ六-百-餘-里。欲_レ ̄ス收_二 ̄ント那-霸_一 ̄ニ。非_二 ̄レハ西-北-風_一 ̄ニ
不_レ能_レ逹 ̄スルヿ。禱_レ ̄レハ之 ̄ヲ立 ̄ロニ轉 ̄シ。一-夜 ̄ニ抵_レ ̄ル港 ̄ニ。 舟囘 ̄テ至_二鳳-尾-山_一 ̄ニ。旋-風
轉_レ ̄シテ船 ̄ヲ。篷柁俱 ̄ニ-仄 ̄ツ。呼_レ ̄ンテ神 ̄ヲ始 ̄テ-正 ̄シ。至_二 ̄リ七-星-山_一 ̄ニ。夾_レ ̄ンテ山 ̄ヲ下_レ ̄ロス椗 ̄ヲ。五-更 ̄ニ
颶-作 ̄テ走_レ ̄ラス椗 ̄ヲ。將【左ルビ「ス」】_レ ̄ニ抵(アテント)_レ礁 ̄ニ。呼_レ ̄テ神 ̄ニ船如_二 ̄シ少-緩_一 ̄ルカ。始 ̄テ得_レ 下_レ ̄スヿヲ椗 ̄ヲ。人-皆額-
手 ̄シテ曰 ̄ク。此-皆天-妃 ̄ノ賜 ̄ナリ也。
諭-祭 ̄ノ文《割書:祈-報二-道|》
維 ̄レ康-熙五-十-八-年。歲次_二 ̄ス巳-亥_一 ̄ニ。五-月癸-酉朔。越(コヽニ)祭-日癸-
巳。
皇-帝遣_二 ̄シ冊封琉-球-國。正-使翰-林-院檢-討海-寶。副-使翰-林-
院編-修徐-葆-光_一 ̄ヲ。致_二 ̄ス祭 ̄ヲ于
神_一 ̄ニ。曰惟 ̄シ神顯_二 ̄シ異 ̄ヲ風-濤_一 ̄ニ。效_二 ̄ス靈 ̄ヲ瀛-海_一 ̄ニ。扶_レ ̄ケ危 ̄ヲ脫_レ ̄シテ險 ̄ヲ。每 ̄ニ著_二 ̄ス神-功_一 ̄ヲ。
捍_レ ̄キ患 ̄ヲ禦_レ ̄ク災 ̄ヲ。允 ̄ニ符_二 ̄ス祀-典_一 ̄ニ。茲 ̄ニ因 ̄テ_下冊_二-封 ̄シ殊-域_一 ̄ニ。取_中 ̄ルニ道 ̄ヲ重-溟_上 ̄ニ。爰 ̄ニ命 ̄シテ
使-臣_一 ̄ニ。㓗 ̄シテ將_二 ̄フ禋-祀_一 ̄ヲ。尚 ̄クハ其 ̄レ默_二-佑 ̄シ津-途_一 ̄ヲ。安-流利-涉。克 ̄ク將 ̄テ成_レ ̄サハ命 ̄ヲ。
惟 ̄レ神 ̄ノ之-休 ̄ナラン。謹 ̄テ-告 ̄ス。
維 ̄レ康-熙五-十-九-年。歲次_二 ̄ル庚-子_一 ̄ニ。二-月戊-戌朔。越 ̄ニ祭-日丁-
現代語訳
ついに無事に保たれた。
今回の封舟が洋上に出た時、風が少し東に偏っていた。祈ったところ立ちどころに正しくなった。多く卯針を用いた。船身が深く沈みすぎて、ほとんど落漈に至るところであった。そこで虔誠に祈って乙辰針を用いることに改めることができた。また筊で二十八日に山を見ることを許された。果たして葉壁を見ることができた。船は六百余里下ったが、那覇に入港しようとしても、西北風でなければ到達することができない。これを祈ったところ、立ちどころに転じ、一夜で港に到着した。舟が回って鳳尾山に至ったとき、旋風が船を転がし、篷も舵も皆傾いた。神を呼んでようやく正しくなった。七星山に至り、山に挟まれて錨を下ろした。五更に颶風が起こって錨を流し去らせ、まさに礁に衝突しようとした。神を呼んだところ船がやや緩やかになったようで、ようやく錨を下ろすことができた。人は皆手を額に当てて言った。「これは皆天妃の賜物である」と。
諭祭の文《祈報の二道》
康熙五十八年、歳次己亥、五月癸酉朔、越えて祭日癸巳。
皇帝が琉球国を冊封するため、正使翰林院検討海宝、副使翰林院編修徐葆光を遣わし、神に祭を致した。「神は風濤に異を顕し、瀛海に霊を効している。危険を扶け険難を脱し、常に神功を著している。患いを防ぎ災いを御ぎ、まことに祀典に符合している。ここに殊域を冊封するにより、重溟に道を取る。ここに使臣に命じ、潔めて禋祀を将う。願わくは黙して津途を佑け、安流利涉し、よく将いて命を成さんことを。これ神の休なり。謹んで告す」。
康熙五十九年、歳次庚子、二月戊戌朔、越えて祭日丁