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コレクション: 大田南畝

此奴和日本 : 2巻 - 翻刻

此奴和日本 : 2巻 - ページ 2

ページ: 2

翻刻

もろこしじん やうの江のかし に大きなるしほ やあり名を ゑんじやう といふひとり の子をも てりゑん しうさい と名  づく 日本で しほうり といつちやァ けちなじゝ いのしやう ばいなれ どからは 海がと をいからさかなと しほはふじゆうなりゆへに《振り仮名:塩商|ゑんしやう|しほや》と きては大のぶげんなりとさるがく しやのぢきばなしなりよもやゑん しやうくさひてつほうではあるまい 【ゑんしうさい】 ドリヤ 五月の しやうぶ けんで きつて やらう おあいての でつち ゑんどう ばんとう ゑん文たい 【ゑんどう、もしくはゑん文たいの台詞】 パア〳〵 つよいぞ〳〵 日本のきん     ぴら 此方の くはんう【関羽】 てうひ【張飛】   〳〵

現代語訳

もろこし(中国)人のような江戸の菓子屋に大きな塩屋があり、名を塩商(えんしょう)という。一人の子を持っており、塩秀斎(えんしゅうさい)と名付けた。 日本で塩売りと言ったらけちな商売だが、中国では海が遠いので魚と塩は不自由であるため、塩商は大変な富豪である。これは猿楽師の直話であり、まさか塩商が臭い鉄砲(屁)をするまいよ。 【塩秀斎】 さあ、五月の菖蒲剣で切ってやろう。 相手の丁稚:塩豆(えんどう) 番頭:塩文太(えんぶんたい) 【塩豆、もしくは塩文太の台詞】 ばあばあ、強いぞ強いぞ。日本の金平(きんぴら)よ、こちらの関羽、張飛だ。

英語訳

In Edo, at a confectionery shop run by a Chinese-like person, there is a large salt merchant named Ensho (Salt Merchant). He has one child whom he named Enshusai. In Japan, salt selling is considered a petty business, but in China, since the sea is far away, fish and salt are scarce, so salt merchants are very wealthy. This is a direct story from a sarugaku performer - surely a salt merchant wouldn't make stinky gunpowder (fart)! 【Enshusai】 Now, I'll cut you down with this May iris sword! His opponent's apprentice: Endo (Salt Bean) Head clerk: Enbuntai (Salt Bunta) 【Endo or Enbuntai's dialogue】 Bah bah, strong, so strong! Japanese Kinpira, here are our Guan Yu and Zhang Fei!