翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

うそなるべし - 翻刻

うそなるべし - ページ 27

ページ: 27

翻刻

【右丁】  葛(くづ)ものなり平(ひら)のうちぬらつくゆへ  ぬつ【右肩に「。」】平(へい)なるべし ▲かくや香(こう)の物(もの)  すべてがくやは物(もの)をさま〴〵しこうする隠所(かくしどころ)の  名(な)也 香(こう)の物(もの)も古(ふる)くなりて味(あぢは)ひあしくなるを色(いろ)  〳〵として酒(さけ)しやう油(ゆ)などにつけて出(いだ)せば又(また)ひと  しほうまみもつくものゆへ  がくやなるべし 【左丁】  又 中村(なかむら)かくやといふ女形(をんながた)の役者(やくしや)ありて是(これ)は茶(ちや)を  よくし元祖(ぐはんそ)柏筵(はくえん)に茶(ちや)を出(いだ)せしとき此(この)かう〳〵  をはしめてしこうしたる甚(はなはだ)客(きやく)ほめて亭主(ていしゆ)の名(な)  をすぐに香々(こう〳〵)の名(な)とすとむかしの人(びと)の語(かた)りき  いかなるや ▲菓子(くはし)の考(かんがへ)果子(くはし)なりすべての果物(くだもの)をくわしと  謂(いゝ)なるかたとはゞ梅(うめ)桃(もゝ)の実(み)梨子(なし)枇杷(びは)かぞふ  るにいとまなし是(これ)を水菓子(みづぐはし)とよぶ米(こめ)にて製(せい)

現代語訳

【右丁】 葛を使った料理である。平皿の中がぬらつくので「ぬっ平」となったのであろう。 ▲がくや香の物 すべて「がくや」というのは、物を様々に工夫する隠れた場所の名前である。香の物も古くなって味が悪くなったものを、色々と工夫して酒や醤油などに漬けて出せば、また一層美味しくなるものなので「がくや」となったのであろう。 【左丁】 また、中村かくやという女形の役者がいて、この人は茶の湯をよくし、元祖柏筵で茶を出した時に、この香の物を初めて工夫して作った。非常に客が褒めて、亭主の名前をそのまま香の物の名前とした、と昔の人が語っていた。どうであろうか。 ▲菓子の考察 「果子」である。すべての果物を「くわし」と言うのである。例えば梅、桃の実、梨、枇杷など数え上げればきりがない。これを水菓子と呼ぶ。米で製造した

英語訳

【Right Page】 It is a dish made with kudzu starch. Because the inside of the flat dish becomes slippery, it probably became "nutsu-hei" (slippery-flat). ▲Gakuya Pickles In general, "gakuya" is the name of a hidden place where things are prepared in various ways. Even when pickles become old and their taste deteriorates, if they are prepared in various ways and soaked in sake or soy sauce before serving, they become even more delicious, so it probably became "gakuya." 【Left Page】 Also, there was an onnagata (female role) actor named Nakamura Gakuya, who was skilled in tea ceremony. When he served tea at the original Hakuen establishment, he first devised and prepared these pickles. The guests praised them highly and immediately named the pickles after the host's name, as people of old used to tell. What do you think of this? ▲Consideration of Confections It is "kashi" (果子). All fruits are called "kuwashi." For example, plum, peach fruit, pear, loquat—there is no end to counting them. These are called mizugashi (fresh fruit confections). Made from rice