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【右側】
たけ見廻と村里浜辺もみへはこそ
只青々たる海の表(おもて)時は十一月の短
きに日は西山に傾きてそよ吹風の
音計我人互に身も心も労れはて
其上病人の身と成てすへきやうなく
只手を合せ諸共に念仏の外は他事
なし取分十三才の小童また六十
有余の老人は互に手に手を取かわし
【左側】
此島守と成事かとおもへは悲しさやる方
なく臥ともなく現【起の誤写ヵ】共なく一夜は爰に明しけり
西山小村
明れは霜月廿一日天気 朗(ほからか)に時候よりは至て
暖気にて霜霧の障もなく陸奥抔の気候とは
大に違し様子故扨は南海の果ならんと銘々
心におもひけり期て四方を見渡ても
海上に塵一本もみえはこそ此辺不残