翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

南瓢記 - 翻刻

南瓢記 - ページ 10

ページ: 10

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【右側】 たけ見廻と村里浜辺もみへはこそ 只青々たる海の表(おもて)時は十一月の短 きに日は西山に傾きてそよ吹風の 音計我人互に身も心も労れはて 其上病人の身と成てすへきやうなく 只手を合せ諸共に念仏の外は他事 なし取分十三才の小童また六十 有余の老人は互に手に手を取かわし 【左側】 此島守と成事かとおもへは悲しさやる方 なく臥ともなく現【起の誤写ヵ】共なく一夜は爰に明しけり    西山小村 明れは霜月廿一日天気 朗(ほからか)に時候よりは至て 暖気にて霜霧の障もなく陸奥抔の気候とは 大に違し様子故扨は南海の果ならんと銘々 心におもひけり期て四方を見渡ても 海上に塵一本もみえはこそ此辺不残