翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

南瓢記 - 翻刻

南瓢記 - ページ 11

ページ: 11

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【右側】 赤土の泥海にていかゝ成行事なるそと まつ粥(かゆ)を煮て食事をなし居けるか水主 の内何かし風と向ふを指さし海上遥に 見ゆるは舟にては有ましきやといふにそ 我も〳〵と延上り遠目(とふめ)にとくと見渡せは 小船壱艘棹さしてこなたの方へ寄せける 体此時の悦は咄にも又語られす夫より 段々三四町も近附候故只両手を上て 【左側】 十六人共助呉候へと呼はり〳〵高声にのゝしる にそ舟は次第近附て半町計向ふ迄 漕寄ける故いよ〳〵声を計に招しか十六人共 髪もおとろに成面体も腫ふくれ其上 姿の見苦敷にやよせくる舟は俄に 元へ引返さんと櫓を取直し舟を廻さんと せし故 大紙(かたおり)に認し送り手形を高く 指出しひろけ見せ手を合せ泣悲むの