翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

南瓢記 - 翻刻

南瓢記 - ページ 5

ページ: 5

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【右側】 旧里陸奧の千賀のうらヘの浜伝ひ 秋かせさそふさむさわの湊にて 同し友《振り仮名:おなし|とし》打乗て纜(ともつな)を取(とり) んとするに天気すくれす晴 やらぬ長雨降(しけそく)のけしき故一日二日と 見合す内早一月計の日も立て 次の月廿七日午の刻順風にまかせ 北かせに走登其夜も同し風に帆を張り 【左側】 廿九日は昼夜共に南に吹かわり卅日の 五時より又そろ〳〵と北風ふき出し 申刻には大雨風車軸をなしはけしき汐 浪に閖(ゆり)上ゆり下四方真黒闇のことく 悪風益強く吹舟の艫(とも)を打わり 梶を折橋小舟まても打流し 十六人の水主汗水になり命限り 根かきりに働とも只吹廻しきひ敷故