翻刻
【右側】
是非なく帆柱を切大風に汐浪は
逆巻上りめい〳〵かくこを極め
彼是する内に夜も明離れしか
ます〳〵風は勢ひ強く又南風と
なりはけしき事いはんかたなし
舟頭鎡【磁】石を以て方角を考へるまも
とかく大風に吹廻され風下へ〳〵と
流より四日の九時には向ふに八丈か
【左側】
しまのことく成所を見付梶つかを
柱に立帆を上け綱を弐房表に仕懸
右の島を目当に心懸るといへ共
かせは次第に盛んに成汐浪逆立
島へとては寄付かたく夫よりは昼
夜のわかちもなく十六人の者共
命から〳〵運を天に任せいつくといふ
あてともなく毎日〳〵吹風は戌亥と