翻刻
し僧寺(そうじ)の祭祀(さいし)の廃(すた)れたるを挙(あ)げ興(おこ)し邦人(くにたみ)の他(た)
国(こく)に散在(さんざい)する者(もの)を処措(しよそ)【左ルビ:オリシク】する新法(しんばう)を建(たて)る等(とう)の善(ぜん)
政(せい)を施(ほどこ)すを以(もつ)て民心(みんしん)帰服(きふく)し人々(ひと〴〵)嘳々(み〳〵)【ヨロコビナク】として其(その)
徳沢(とくたく)の深(ふか)きを誦(しやう)す故(ゆへ)を以(もつ)て五月八日 議政宦(ぎせいくわん)勃(ぼ)
那杷爾的(なばるて)を冊(たて)て「コンシュル」の位(くらい)に居(お)らしめ政(まつりごと)を
行(おこな)ふこと更(さら)に十年を期(き)とす勃那杷爾的(ぼなばるて)は既(すで)に
其請(そのしやう)に允(したがふ)て其位(そのくらい)を践(ふ)み国政(こくせい)を躬(みづから)にす又(また)国民(こくみん)太(たい)
半(はん)勃那杷爾的(ぼなばるて)をして畢生(いつしやう)此位(このくらい)に在(あ)らしめんと
諮議(しぎ)【左ルビ:ハカリ】し因(よつ)て先(まづ)其(その)功勲(いさほし)を賞(ほ)め今(いま)別(べつ)に親衛(しんえい)の兵(ひやう)を
賜(たま)ふ勃那杷爾的(ぼなばるて)は新(あらた)に此(この)兵隊(ひやうたい)を得(え)て権勢(けんせい)倍々(ます〳〵)
現代語訳
僧寺の祭祀の廃れたものを復興し、自国民が他国に散在している者を適切に処置する新法を制定するなどの善政を施したので、民心が帰服し、人々は皆喜んでその恩恵の深さを称賛した。そのため5月8日、議会はボナパルトを執政の位に就けて政治を行わせることをさらに10年間延長することを決定した。ボナパルトは既にその要請に応じてその地位に就き、国政を自ら執り行った。また国民の大半がボナパルトを生涯この地位に留まらせようと協議し、そのためまず彼の功績を賞賛し、今新たに親衛兵を賜った。ボナパルトは新たにこの兵隊を得て権勢がますます増大した。