翻刻
【布袋の台詞】
やいからこども此ふくろは
此まゝでめんぞうへ【?】もつてゆ
けかならすなかを見まいぞ
どりや此方のふくろも
おわたし申きふ【?】
大こくとのへよろ
しうたのむ
□くや
と
ち□□
て
ふくろが
まちがい
ました
から
おかへし
申ます
此方の
ふくろを
此ものどもに
御わたし下
されませ
もしほていさん
御ふそくながら
わしをめかけに
もつておくれと
しやれ給ひし
よりおてら
のかくし女を
大こくとぞ
云ならはし
ける
大こくはほていの
弁天をかくし
をきし事を
さん〴〵あく
こうしてはじ
しろ?給へば
ほていは大
こくの弁
てんへむ
たいのれん
ぼをし
かける事
弁天の
あまになる
かくとあり
しをなだ
めをきし
事などを
くはしく
かたり
□こ〴〵の打ち□
も□あし□
□□□けん
し給へば大こく
大きに□□いり
すご〴〵と
帰る
現代語訳
【布袋の台詞】
やい唐子ども、この袋はこのまま面蔵へ持って行け。決して中を見るなよ。さあ、こちらの袋もお渡し申そう。大黒殿へよろしく頼む。
【人物の台詢】
袋が間違いましたからお返し申します。こちらの袋をこの者どもにお渡しください。
【語り手】
もし布袋さん、御不足ながらわしを妾にして置いてくれと戯れ給いしより、お寺の隠し女を大黒と呼び習わしていた。
大黒は布袋が弁天を隠し置いたことを散々悪口して恥をかかせ給えば、布袋は大黒の弁天への無体な恋慕をしかける事、弁天の尼になる覚悟があったのをなだめ置いた事などを詳しく語り、互いの打ち明け話で悪態をつき合い給えば、大黒は大いに腹を立て、すごすごと帰る。
英語訳
【Hotei's dialogue】
Hey, Chinese children, take this bag to Menzo just as it is. Never look inside. Now, I'll also hand over this bag here. Please give my regards to Lord Daikoku.
【Character's dialogue】
The bags got mixed up, so I'm returning them. Please hand over this bag to these people.
【Narrator】
Ever since someone jokingly said "Please, Hotei-san, though it may be inadequate, take me as your concubine," they had been calling the temple's hidden woman "Daikoku."
When Daikoku thoroughly bad-mouthed and shamed Hotei for hiding Benten, Hotei spoke in detail about Daikoku's unreasonable infatuation with Benten, and how he had pacified Benten when she was resolved to become a nun. As they exchanged confessions and hurled insults at each other, Daikoku became greatly enraged and dejectedly went home.