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コレクション: 朋誠堂喜三二

蛭子大黒壮年過 : 2巻 - 翻刻

蛭子大黒壮年過 : 2巻 - ページ 6

ページ: 6

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ふくろくじゆどぶへはまり 石かきのふちへあたま斗 見へければ いぬ来り たて石 なりと 思ひ小 べんを しかけ   ゆく 【福禄寿の台詞】 をれ  が あたまへ 水  を   かけ    るは     なにやつた 【布袋の台詞】 ふくろく    どの はやく   ごされ 【本文続き】 大こく ふくろく寿 大よひに よはれければ てうちんを もたずむかで を  おくり    に つけられ けるに なまよひ たち道にて つはきを やたらには きければむか では 此つ はき の □ ば し り と ろ け て 道ばたに たをれふし 酒ゑひよりも ぐにや〳〵もの とぞなりに ける び しや もんは 金のむ しんきう いしてちそ うの物入む だになりけれ どもなをあと にてきをはり 大ざかもりなる り人こくとふく ろくじゆ大のたま く【?】にもりつぶされ ほてい一人かいほうして 大きになんぎし給ふ 【布袋の台詞】 あぶない〳〵 おれにつかまつて        ござれ 【本文続き】 寿老人は 下戸なりける ゆへしかにうちのり さつ〳〵とさきへ帰 られけるくらき夜の 事なればむかふより 人来るときは はい鹿〳〵とぞ  こゑをかけ     給ひ       ける 【寿老人の台詞】 〽はてかまやるなはなしやれ めいよ□げこといふものは□ つらまへる事がすきなもの□ お□□□…………□□のん□    まけるやうな     よわい事ではない   すまふでもとつて見やれ    いつ□□□な□ものだ     あんまり       化ねざんじみそは      あげやるな

現代語訳

福禄寿がどぶにはまり、石垣の縁に頭だけ見えていたので、犬がやって来て立て石だと思い、小便をかけて行った。 【福禄寿の台詞】 俺の頭に水をかけるのは何奴だ。 【布袋の台詞】 福禄寿殿、早くお逃げなさい。 【本文続き】 大黒と福禄寿が大いに酔っ払ったので、提灯を持たずにムカデを送りにつけられたが、生酔いで立ち、道で唾を盛んに吐いたので、ムカデはこの唾のしぶきでとろけて道端に倒れ伏し、酒酔いよりもぐにゃぐにゃになってしまった。 毘沙門天は金の無心を急いて、馳走の物入りが無駄になったけれども、なお後で気を晴らし、大酒盛りになった。人心と福禄寿が大の酒好きにも潰され、布袋一人が介抱して大いに難儀なさった。 【布袋の台詞】 危ない危ない、俺に掴まっていなさい。 【本文続き】 寿老人は下戸であったので、しらふで乗り、さっさと先に帰られた。暗い夜のことなので、向こうから人が来る時は、はい鹿鹿と声をかけなさった。 【寿老人の台詞】 ♪はて構うものか、話にならない。名誉げな下戸ということは、掴まえることが好きなもの[判読困難]...負けるような弱いことではない。相撲でも取って見なさい。いつ[判読困難]なものだ。あんまり化けざん事は上げるな。