翻刻
【右丁】
菓子の名寄
〇干菓子むしぐわしは其時〳〵に
菓子商売人のかたへ取にやれば
とヽのふ物なれど夫を手作りに
して饗応(もてなす)を馳走といふべし
馳走の馳の字ははせるといふ字也
また走の字はははしるといふ字にて
客の為にはせはしるといふを以て
もてなす事を馳走といふよし
古き人の物がたりなりすれば
工夫を用ひて手づからみづから
製する事これ茶道の肝要
なれは聊それのこれのとおもむきを
しるして高きにいたり結へと
其はしごならしむるもの也
【左丁】
〇葛饅頭 〇西条柿
〇まつかせ 〇むし栗
〇信濃柿 〇龍眼肉
〇まんちう 〇すヽり団子
〇赤栗 〇珠光餅
〇枝柿 〇求肥飴
〇ふの焼 〇ようかん
〇まきふのやき 〇葛せんべゐ
〇かすていら 〇かるめいら
〇砂糖氷餅 〇焼おし栗
〇高麗𤋎餅 〇朧まんぢう
〇蜜柑 〇巻せんべゐ
〇栗の粉もち 〇芋もち