翻刻
【右丁】
さつと軽き味わひを交る
事を本意とす珍らしく
せんとして細工物色付物
時ならぬもの名もなきもの
薬種等をつかふ事なかれ
一座中に老人あらは歯のあしき
人も有べし椀中かれう
喰つくすやうに心得あるべし
しかたあしけれは喰切はさみ
きり椀中見くるしかるべし
【左丁】
一此書に珍物遠来の産物を
用ひて唯もとめ安きものを
以て本意とし調味を四季
月々はかつといへとも其月に
限り用ゆべしといふに非す
あるひは用ひあるひは捨事
調味を考給ふへし
一料理といふは名なり実は喰物
なり夫れをいれる懸物と野菜
魚鳥の切形しかた煑かたの