伊那市×みんなで翻刻

コレクション: 内藤家資料 (1) 2

藩翰譜(九・下) - 翻刻

藩翰譜(九・下) - ページ 7

ページ: 7

翻刻

【右丁】 まいらせ此よしを申す三好中納言秀次卿を大将軍として あまたの軍勢をさしむけらる徳川殿もむかわせたまふ ほとに井伊兵部少輔直政先陣をうつて馳下る蒲生飛騨守 氏郷は去年奥十二郡を給て当国の鎮守を奉りしかは諸軍 にさきたつてはせ向ひ姉帯《割書:一書に|穴由井》祢曾利《割書:一書に|根由利》ふたつの城を おとし九戸かこもつたる福岡《割書:一書に|糠部》の城にをしよす関白殿 の御勢徳川殿の先陣を始とし南部津軽松前の軍勢 馳加り入かへ〳〵攻しほとに同き九月城終に攻やふられ 九戸櫛引降人に成て出つ秀次の御陣三■【廻ヵ】りに参ら せて一々に首をそ刎たりける朝鮮の事おこりて 【左丁】 のち軍勢の催促にしたかひ信直筑紫に馳参る年 五十四年にて慶長四年十月四日に卒しける信濃守 利直父につき《割書:十万|石》いくほとなくて慶長五年の夏徳川殿 会津の中納言景勝を御退治あるへきにて南部津軽 秋田山北の人々は出羽守義光にしたかつて軍すへき由 仰下さる信濃守利直軍勢をひきゐ最上の郡にはせ あつまるかゝる所に石田三成か催促にて上方軍をこり 徳川殿既にうたれ給ふと聞えしかは此程馳集たる奥方 の軍勢義光にいとまをも乞す我も〳〵と逃帰る利直 かくては国中の事おほつかなしとてこれもおなしく