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【右丁】
咳(セキ)のあるに桑(サウ)-白([ハ]ク)-皮 杏仁(キヤウニン)。痞(ツカエ)に莪(ガ)■(ジユツ)【艹+朮】
三陵(サンリヤウ)枳(キ)-殻(コク)厚(カウ)-朴(ホク)。腹-痛(イタム)に芍(シヤク)-薬(ヤク)木-香。小
便(ベン)濁(ニゴ) ̄ル には知(チ)-母(モ)黄(ワウ)-栢(バク)。小-便 通(ツウ)ぜざるに
猪(チヨ)-苓(レイ)沢(タク)-瀉(シヤ)木(モク)-通(ツウ)車(シヤ)-前子(ゼンシ)。熱(ネツ)に柴(サイ)【「カイ」は誤記】
胡(コ)黄(ワウ)-芩(コン)。大-熱-瘡(カサ)などの生(シヤウ)ずるに
は防(ホウ)-風通 聖(シヤウ)散 等(トウ)を用ひずといふ
事なし。療-治の法 大(タイ)-抵(テイ)かくの如き
ばかりなり余(ヨ)の病もこれになぞら
【左丁】
えてしるへし。衆方(シユホウ)規矩(キク)にて医と
なり常に秘方あり師-伝ありとする
ことの世に多きは歎(ナゲカ[ハ])-敷(シキ)事なり。病
家も其(ソノ)-医を信するは医-道-世に明
らかならざるならし。むかしよりかく
のことしといへどもとりわきて近
年俗書を出-板してより妄(モウ)【「”モラ」は誤記ヵ】
医の出るなるべし
現代語訳
【右丁】
咳があるときには桑白皮、杏仁。つかえには莪朮、
三稜、枳殻、厚朴。腹痛には芍薬、木香。小
便が濁るときには知母、黄柏。小便が
通じないときには猪苓、沢瀉、木通、車前子。熱には柴胡、
黄芩。大熱や瘡などが生じるときに
は防風通聖散等を用いないという
ことはない。療治の方法は大体このような
ことばかりである。その他の病もこれに倣って
【左丁】
理解すべきである。世間の医師は決まりきった処方で医者と
なり、常に秘方があり、師伝があるとする
ことが世に多いのは嘆かわしいことである。病
人もその医者を信じるのは、医道が世に明
らかでないからであろう。昔からこのような
ことだといっても、とりわけ近
年、俗書を出版してから、やぶ
医者が出てくるのであろう。