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翻刻
【右丁】
世間に用ゆるきりもぐさは其 性(シヤウ)
するどにして悪(アシ)し
○青艾(アヲヨモキ)をもみかためて毎(マイ)-朝 呑(ノメ)ば
百(ヒヤク)-病を生(シヤウ)ぜずと。用る人あり生(ナマ)
なるものを空腹(スキハラ)にさい〳〵呑(ノメ)
ば毒なり
○灸(キウ)【この條の「炙」は誤記と思われる】《割書:六条》
灸(キウ)-穴(ケツ)は老(ラウ)人 少(セウ)人。人々の長短(テウタン)肥(ヒ)
【左丁】
痩(ソウ)。手足(テアシ)胸腹(ムネハラ)に至(イタ)りては同(ドウ)-指(シ)-寸(スン)
も同(トウ)-身(シン)-寸(スン)も各別(カクベツ)ちがふ生(ムマ)れつき
もあるほどに灸(キウ)-点(テン)はむつかしきも
のなり。灸するときは先 ̄ツ上(カミ)
から下(シモ)へする也。男は左(ヒダ) ̄リ女は右(ミギ)よ
り先 ̄キ にするなり
○灸を一 壮(サウ)二壮といふ。壮は壮年
の壮にて人の年三十 計(バカリ)を壮といふ
現代語訳
【右丁】
世間で使用されている切りもぐさは、その性質が鋭すぎて悪い。
○青艾(生のよもぎ)を揉み固めて毎朝飲めば、あらゆる病気にかからないという。これを用いる人がいるが、生のものを空腹時に細かく刻んで飲むのは毒である。
○灸《六条》
灸穴(つぼ)は老人・若者、人それぞれの身長・肥
【左丁】
痩、手足・胸腹に至っては、同身寸法も各人で違う生まれつきがあるので、灸点を決めるのは難しいものである。灸をする時は、まず上から下へ行う。男は左から、女は右から先に行うものである。
○灸を一壮、二壮という。壮は壮年の壮で、人の年齢三十歳頃を壮という。