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コレクション: 漂流記コレクション

漂民後記 - 翻刻

漂民後記 - ページ 32

ページ: 32

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【右帖】 添物に給申候野菜は少く大根にんじんかほちや 胡瓜等も少々有之候得共味ひ至て薄く御座候菜 之類蕨等は沢山有之候味噌醤油等も曽て無之 酢之様成物御座候酒は麦にて造り油は多分麻 之実をしほり申候塩は沢山有之候得共品合悪敷 「カムシヤツカ」辺は塩至て高直に有之候夫ゟ島々に至り 候ては魚肉而已給申候 家作之儀魯西亜本国之内は大家之分は石を 高く畳上屋根は板を敷其上に鉄之延かねを張り 其上を瓦葺にいたし候小家は木を以組立屋根は 【左帖】 板にて葺申候都て壁は無之屋根も萱葺藁葺 等は無御座候「シベリイン」辺も右に准候得共小家勝に 御座候夫ゟ島々に至り候ては穴を掘り室屋の様に 屋根を丸くいたし木草をおほひその上に土を置キ 其内に住居いたし候 金銀銭之儀金銭は色々御座候由之処委敷 儀は存不申銀銭は壱文拾文廿五文五十文 百文と品々有之銅銭は壱文弐文五文拾文 之四 通(色)程御座候売候と買候とは相場も違ひ 申候

現代語訳

【右側のページ】 副食として食べている。野菜は少なく、大根、人参、かぼちゃ、胡瓜等も少々あるが、味は非常に薄い。菜の類、蕨等は沢山ある。味噌、醤油等は全くなく、酢のような物がある。酒は麦で造り、油は多分麻の実を搾って作る。塩は沢山あるが品質が悪い。「カムチャツカ」辺りは塩が非常に高価である。そこから島々に至っては魚肉ばかりを食べている。 家屋建築について、ロシア本国内では大きな家は石を高く積み上げ、屋根は板を敷き、その上に鉄の延べ金を張り、その上を瓦葺きにしている。小さな家は木で組み立て、屋根は 【左側のページ】 板で葺いている。すべて壁はなく、屋根も茅葺き、藁葺き等はない。「シベリア」辺りも右に準じているが小さな家が多い。そこから島々に至っては穴を掘り、地下室のように屋根を丸くし、木や草で覆い、その上に土を置いて、その中に住んでいる。 金銀銭について、金銭は色々あるということだが、詳しいことは知らない。銀銭は1文、10文、25文、50文、100文と品々ある。銅銭は1文、2文、5文、10文の4種類ほどある。売る時と買う時では相場も違っている。