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コレクション: 蔦唐丸(蔦重)

本樹真猿浮気噺 : 3巻 - 翻刻

本樹真猿浮気噺 : 3巻 - ページ 18

ページ: 18

翻刻

邪九郎すくと なす事みな そつほう にてひとつ としてお もしろき ことな ければ よほど よはり けるが とてもの はたき おさめに引 つりすゝといふ をあるかせけれ ども見ずしらず の人にしよ道具 をかたつけさせる りやうけんの人 なければ一人も たのみて なく日 のくれ から 夜あけ までさむ いめをして あるき  すご〳〵   かへり     ける  にうめんや   たうめん すゝとろう     〳〵 又そばでも くわふか さむくつて ならねへ もう八つでも      あらうか   せけんがしん〳〵と          した

現代語訳

邪九郎がすることは皆そっぽう(でたらめ)で、ひとつとして面白いことがなければ、よほど弱ってしまった。とても商売道具を片付けに「引っ込みすす」というものを歩かせようとしたけれども、見ず知らずの人に商売道具を片付けさせるような料簡(分別)のある人がいないので、一人も頼むことができず、日が暮れてから夜明けまで寒い目をして歩き、すごすごと帰ってきた。 「温麺屋、うどん麺」 「すす(煤)太郎」 「また蕎麦でも食おうか、寒くてならない」 「もう八つ(午後二時頃)でもあろうか、世間がしんしんと静まった」

英語訳

Everything Jakuro does is haphazard and sloppy, and since none of it is interesting, he has become quite weakened. He tried to get someone called "hikkomi-susu" to help pack away his business tools, but since there was no one with the good sense to let a stranger handle their trade goods, he couldn't find anyone to ask. From evening until dawn he walked around suffering in the cold, and returned home dejectedly. "Hot noodle vendor! Thick noodles!" "Soot Taro" "Maybe I'll have some more soba - it's so cold I can't stand it." "It must be about eight o'clock (around 2 PM) - the world has fallen completely quiet."