翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

唐泊リ孫七物語 - 翻刻

唐泊リ孫七物語 - ページ 10

ページ: 10

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【右丁】 残念是悲〳〵爰にて日和を待へしと云けるに 梶取新七心得かたくや思ひけん程ちかく かくり居たる船にこへをかけ此天気各々は 何と思ふやと尋けれはとなりの舟の梶取答て此 天気甚た覚束なし日暮ても此もやう ならは箒浦に戻すへし左あらは火を二つ 表にともすへし元の方へも戻しがたく沖 の方へ出るならは火を一つともして出るへしと 【左丁】 約束せり日暮に成て数艘の舟皆火を二つ立て 元来し方へ戻しけるしからは此舟も戻す へしといふ親父分仁兵衛中〳〵合点 せす今しはらくと留ける其ほとり【内にヵ】は類舟 残らず走り戻るに今爰に残りし舟は残の しまの村丸と此伊勢丸と只二艘のみなり 扨日もとくと暮けれは心細くも只二艘風の 替るを待居しに四方の気色弥悪敷打