翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

唐泊リ孫七物語 - 翻刻

唐泊リ孫七物語 - ページ 12

ページ: 12

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【右丁】 見れは戌亥の風なり何れ行は日本の 地え着事やらさらにはからず行通の舟と てもなし是に依て風にしたかい舟を走ら せけれど数日かさぬれともさらに山を見ず 《割書:コハ|》いか成所に行やらんと人々あきれ果て ける斯日数を重ぬるゆへに用意の水につきたり 是に依て雨之ふるを待て櫓(ヤクラ)の上に横木を打 流れをば一所になし桶に受て水を たわ(タクハワ)へる粮米も 【左丁】 次第〳〵に減(ゲン)ずるを地方に寄まてと けん(ケン)やく をして喰しける然(シカル)に梶又そんじけるゆへ梶床 より綱を引せ材木なと釣下おゐて帆柱 を切折に大斧を以て前後より■かわり〳〵切 かゝりけるゆら〳〵に切たをし其後は帆桁た を以て柱に拵へて帆幅もわすかにせばめつゝ か なり(なり)〳〵に風を受流るゝ潮にしたがいいつく共 なく行けるが十一月中頃に成りて風も和らき海上も