翻刻
【右丁】
者ともえ割当て其日〳〵を送りける其中に
東風つよく吹ゆへに申酉の方へ打向て数日
走(ハシ)れとも帆道具皆そんじ〳〵てちいさく成
て思ふ程に走らず其間に粮米も次第〳〵
にすくなく成る。せめてのたすけにと
色々工夫してまびきと言魚を少々釣とり
是を喰すまた或日船の辺りに鱶弐疋付まど
いて梶の廻りを付廻るを見て是を釣
【左丁】
取粮米之たすけになさんと米を積ときつ
かふ。かぎを取出し細引を結つけせつた
のうら皮を引はなし是をかぎにくゝり付投
入けれは案に違わす喰付けれを四五人にて引共
上らず是は此頃不喰を致し居すゆへ身に力なき
故そこてろくろにて巻上ける扨此鱶長さ
四尋余有ける是を■■て人々喰しける是に
て暫はかつを凌(シノキ)ける十二月の末なれは弥粮米に
【四尋は6~7mほどヵ】