翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

唐泊リ孫七物語 - 翻刻

唐泊リ孫七物語 - ページ 15

ページ: 15

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【右丁】 尽はて水もきらし魚肉もなく成果てつい に見もしらぬ人々ように成にけり十二月廿八日 に西南の方当て海上凡廿里斗りもあるへき 程に地方を始て見出しける皆々是に力を得 て願は地方の土に成へきと山を目当に命限り にはせ近づきける其間一里斗り成し頃また風 かわりて西より東へ吹戻す次第〳〵山もとふざ かりぬれは各気も落心たへいり凡五十日余りが間 【左丁】 海上にゆられ■々今日地方を見出せしに風か わりて着もやらす又沖中に吹出され申 の年をくらしける明れは明和弐年酉正月成ぬ 去年津軽にて土産の為求置し松前昆布を思 ひ出し船底より取出し是を食す久振にて咽 を潤しける扨又風の吹まゝに流 走(ハシ)りける巳午の 方に行けるがいつ地とは知らねとも地方近き所成 ける《割書:去年塩家の津を出て今日|まて日数凡七十余日なり》扨橋舟を出し漕着て見れば