翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

唐泊リ孫七物語 - 翻刻

唐泊リ孫七物語 - ページ 17

ページ: 17

翻刻

【右丁】 也かゝる所え国人共いかゞして知りたりけん 追々に集り来類人の形ち頭の毛は赤くろほ つ【らほつ= 螺髪】の如く也皆く【々】ちぐ【ゞ】み有なり或は異風の笠 を着たる者もあり腰には毛皮をまとい弓を持矢 を手携或は鉄炮をはなち鑓鉾のこときなる物を 持其人数三百人計り也 我(ワレ)々是を見て飢死 するより猶又いかなるうきめに出ふ事かと 手足もかなわす労れ入たる事なれはいかん 【左丁】 ともする事かなわす其まゝに伏居て数大勢 の中より十四五人我々に近着物をいへともわからす 大勢元船に打乗て衣類諸道具を事如く取 にけにける有様は口惜くもまた恐ろしけれ。日も 暮に及ひけれはいつくへか行けん壱人もなく皆帰 りけり斯日暮ても爰をうごかす打伏居たり しが其夜戌の刻かと思ふ頃松火燈し異形 之者四五十人来り鉄炮をならし我々に近寄