翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

唐泊リ孫七物語 - 翻刻

唐泊リ孫七物語 - ページ 28

ページ: 28

翻刻

【右丁】 ちゞみたるをつくねてゆふ生花を折て かんさしとせり此国は親死すると首を切て 佛檀に上置とむろふ死 骸(カラタ)には他人の首(クヒ)を つぎてほふむる也是に依て金銀ざいほふ 有者はかねて人を買置とかやもし首をつ がざれは家にたゝり有ともいふまた其子は不孝 ともいうケ様之国ふうなれは国に罪人有は 金限をつかねて申受或は地国に至り求む 【左丁】 替首之者を兼而覚悟するとかやさいほうも なく暮しかねる者にはたゝりなしといふ首 をつかいてもくるしからずと云扨孫七是迄 遠国諸国をめぐり天に任せ何に恐るゝ心なく 気も心も丈夫にして壱度は日本に帰らんと 万事心に苦労する事いさゝかかかりけり 我此国に連来りしは此替首の為に売 られたるにやと心付けれとも今迄の命也