翻刻
【右丁】
ちゞみたるをつくねてゆふ生花を折て
かんさしとせり此国は親死すると首を切て
佛檀に上置とむろふ死 骸(カラタ)には他人の首(クヒ)を
つぎてほふむる也是に依て金銀ざいほふ
有者はかねて人を買置とかやもし首をつ
がざれは家にたゝり有ともいふまた其子は不孝
ともいうケ様之国ふうなれは国に罪人有は
金限をつかねて申受或は地国に至り求む
【左丁】
替首之者を兼而覚悟するとかやさいほうも
なく暮しかねる者にはたゝりなしといふ首
をつかいてもくるしからずと云扨孫七是迄
遠国諸国をめぐり天に任せ何に恐るゝ心なく
気も心も丈夫にして壱度は日本に帰らんと
万事心に苦労する事いさゝかかかりけり
我此国に連来りしは此替首の為に売
られたるにやと心付けれとも今迄の命也