翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

唐泊リ孫七物語 - 翻刻

唐泊リ孫七物語 - ページ 31

ページ: 31

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【右丁】 不図わずらい付食事もせずしてなやみける 孫七色〳〵とかいほうすれ共頼ずくなく見へ ける船子とも甚だ気遣ひて練 薬(ヤク)をのませ かた〳〵介抱(カイホウ)すれ共次第〳〵にをとろ へ(エ)て終に相果 ける是まて親とも子共兄 弟(ダイ)共互に力と思ひ 居しに其壱人相果し事なれは今は孫七只 壱人と成りいども心細く成りたよりなき事 限りなかりけり船子とも死(シ)骸(カラダ)を海へ打■躰 【左丁】 なる故余りの悲しきに色々と仕形をしてはびを なし磯近く船を乗寄せさせて磯辺に上り地 を掘て死骸をうづみ念仏 数(カズ)十ぺんとのふ る此死骸上る時に孫七船子共に手伝ふて呉よと 仕形おして見すれ共いかなくつぱきしてかむりふる 孫七思ふ様今は我々今は只壱人なり終に て(は)斯の ことく成り行へしさ有時はたれかケ様にわほふ むり念仏して筈るやらんと思へはいとじ頼