翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

唐泊リ孫七物語 - 翻刻

唐泊リ孫七物語 - ページ 37

ページ: 37

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【右丁】 なとの肉料理して祭る十五日の夜は寺の内 に大きなる施餓鬼棚(セカキタナ)をしつらい町家より は思ひ〳〵に飯をたき大鉢に盛上ていろよき 紙に銘々の名を書付竹の串にはさみ鉢 の飯(メシ)に何程となく突たて是を送る或 は肉物るい或は種々の菓子るいせうちうなど どりそへて施餓鬼棚へと持行なり夫より 大勢の僧出て経をよみ終て後へ備へし霊 【左丁】 物を所々 若(ワカ)者子供なんど大勢か参りて めい〳〵あらそいて取て帰し家猪(ブタ)や犬猫(イスネコ) に是を喰する事也十五日の夜は近所組合の 者銘々に出て大筏(ヲヽイカタ)を拵へ前の大川に浮め 右の霊物(リヤウモツ)を持出して積重ねの一二斤掛の大蝋 燭を燈し川に流す斯のことくにして川上より 流れ通る事おひたゝ敷也其火何程風に当り てもきへず川水にろつう流れ行ざま其ぎやう