翻刻
【右丁】
ける役人二人共■腹をおさへて追かけしか一人は
孫七か門口に見居る其前にてたをれ死す今一人は
釼を以て追かけしか二丁余程行て是もたをれ
死すそれより町内 大騒動(ヲヽソウドウ)と成り上を下へと
ふしたり程もなく役人と思しき人々馳来り
鑓鉾鉄砲を持て彼とが人を尋廻りけり扨又
らうせき者は山深く逃入(ニケイリ)て高き木の空に
登り忍ひ居たるを見付出して打けるに
【左丁】
両の腕を打ぬかれ逆様に落けるを人々見て
はるかの谷に落ける事なれは助かる事叶ふ事まし
と言て役人衆皆々引取て右の由を言上する
彼曲者は数十丈上より谷間に落けれとも中程
にて葛(カスラ)に落かゝり手早く是をとらへかげを
つたひ何国へか逃さりけり元来此所南天竺
の内の由なり物の数名を一は。しやうとう。二はろは
。三は。てが。四は。あんはつ。五はりま。六は。あんのん