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コレクション: 曲亭馬琴

福壽海旡量品玉 3巻 - 翻刻

福壽海旡量品玉 3巻 - ページ 6

ページ: 6

翻刻

さともかねにはつまる ならひとはいゝながら 大次郎はけいせい くるいにかどやしき まで人#1のものと なしりやうがへ 屋#2のおちさまにも あいそをつかされ ごふくやのおばごの ところもしきゐが たかくなつて九めん 十めんにつきて#3 かしもと町の へんにかうつけや#4 利兵へとかいふ かねかしの所へ はいつくばつて むしんに     きたる かねかしの むからは大次郎が かほがぢぞう ぼさつのよふに みゆるゆへさつそく しやうちしてかねを かしてやるきになるも きめうてうらい#5 ぢぞうそんだ#6 【金貸し利兵衛】 〽まいにちかけ がねになさると#7 いしでとうを つむやうだが くろうなく    へんさいが       できます 〽あの人はたしか はくしろ#8で    みたかほ       だか 【大次郎】 わたくしかたいことは いしでござれども もしなんなら 〔青やま〕の六どうの つじの  やしきを     かきいれ    ませう#9

現代語訳

里通いも金には詰まる 習いとはいいながら 大次郎は傾城 狂いに角屋敷 まで人手のものと なし両替 屋の主様にも 愛想を尽かされ 呉服屋の叔母御の ところも敷居が 高くなって九面 十面に突いて 貸元町の 辺にある上野屋 利兵衛という 金貸しの所へ 這いつくばって 無心に 来たる 金貸しの 目からは大次郎が 顔が地蔵 菩薩のように 見えるゆえ早速 承知して金を 貸してやる気になるも 奇妙珍妙なり 地蔵様だ 【金貸し利兵衛】 ♪毎日賭け 事になさると 石で塔を 積むようだが 苦労なく 返済が できます ♪あの人は確か 博打で 見た顔 だが 【大次郎】 私方堅いことは 致しでございますが もし何なら 〔青山〕の六道の 辻の 屋敷を 書き入れ ましょう

英語訳

Though visits to the pleasure quarters require money as is customary, Daijirō's obsession with courtesans led him to mortgage even his corner mansion to others, and he was given the cold shoulder by the money changer's master, while his aunt's silk merchant shop became too high a threshold for him. Being pressed from all sides, he crawled to a moneylender named Riheē of Kōzukiya near Kashimoto-chō to come begging for money. To the moneylender's eyes, Daijirō's face appeared like Jizō Bodhisattva, so he immediately agreed and felt inclined to lend him money— how strange and wondrous, a living Jizō! 【Moneylender Riheē】 ♪Though you gamble every day, like piling stones into a tower, you can repay without hardship. ♪That person's face I've certainly seen at the gambling den. 【Daijirō】 My family situation is quite secure, but if you wish, I can put up as collateral the mansion at Rokudō crossroads in [Aoyama].