キリシタン関連史料を翻刻

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破提宇子 - 翻刻

破提宇子 - ページ 12

ページ: 12

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【右丁】 諸善万徳(シヨセンマンドク)ノ源(ミナモト)也 法性(ホツシヤウ)ハ 無智亦無徳(ムチヤクムトク)ト説(ト)ク然(シカ)ラハ 無智亦無徳(ムチヤクムトク)ノ処(トコロ)ヨリ如(イ) 何(カン)トシテ此(コノ)天地 万像(マンザウ)ヲ造(ザウ) 作(サ)セン其 ̄ノ上(ウヘ)今日(コンニチ)ノ我等(ワレラ)ニ アル慮智(リヨチ)分別(フンベツ)ハ本源(ホンゲン)ニ智(チ) 徳(トク)アラスンハ何(ナニ)トシテカアルヘキ 破(ハシテ)云 提宇子(ダイウス)ハ真理(シンリ)ヲ弁(ワキマ) ヘス法性(ホツシヤウ)ハ無智無徳(ムチムトク)ト聞(キイ) テハ不可(フカ)也ト思(ヲモフ)テ捨(スツ)_レ之(コレヲ)Ds(デウス) 【左丁】 ニ智徳(チトク)アリト聞(キイ)テハ可(カ)也ト 思(ヲモフ)テ取(トル)_レ之 ̄ヲ待(マテ)我(ワレ)汝(ナンヂ)ニ真理(シンリ) ヲ説(トイ)テ聞(キカ)セン先(マツ)無(ム)ノ一字( シ)ニ モ不可思議(フカシギ)ノ謂(イワ)レアリ無(ムノ) 字(シ)鉄関千万重誰抜這 字徹那辺トアレハ無(ム)ノ一 字(シ)モ提宇子(ダイウス)底(テイ)ノ人ノ知(シル)ヘ キ義(ギ)ニアラスヨシ又(マタ)無智亦(ムチヤク) 無徳(ムトク)ノ語(コトハ)字面(シメン)ノ如(コト)クニモセ ヨ無智無徳(ムチムトク)コソ真実(シン  )ナレ

現代語訳

【右丁】 諸善万徳の源である。法性は無智また無徳と説く。然らば無智また無徳の処より、如何にしてこの天地万象を造作せん。その上、今日の我等にある慮智分別は、本源に智徳あらずんば、何としてかあるべき。 破(反論)して云う。デウスは真理を弁えず、法性は無智無徳と聞いては不可なりと思って、これを捨ててデウス 【左丁】 に智徳ありと聞いては可なりと思って、これを取る。待て、我、汝に真理を説いて聞かせん。先ず「無」の一字にも不可思議の謂れあり。「無の字は鉄関千万重、誰かこの字を抜いてかの辺を徹せん」とあれば、「無」の一字もキリシタン程度の人の知るべき義にあらず、よし。また無智また無徳の語、字面のごとくにもせよ。無智無徳こそ真実なれ。