翻刻
蔵(サウ)甚タ多シ本朝(ホンテウ)コレヲ産(サン)スル所 少(スクナ)カラス又
唐土(タウト)ノ書(シヨ)ニ出ルモノ甚タ多シ続篇(ゾクヘン)ニ是ヲ出
スベシ
後編 《見せ消ち:二|一》
金鱗石(キンリンセキ)三十二
《割書:予》珍蔵(チンサウ)ノ一ッニ金鱗石アリ其形 円(マドカ)ニ少シ長
ク鶏卵(ケイラン)ノコトク外ニ黒色 堅硬(ケンカウ)ノ皮アリ破去(ワリサツ)
テ全体(センタイ)金色ノ鱗(ウロコ)アリ若(ワカ)キ松カサノ大ナルガ
コトシ佐渡国(サトノクニ)金ヲ掘(ホ)ル穴(アナ)ノ中ニテ稀(マレ)ニ得(エ)タリ
現代語訳
蔵は甚だ多い。本朝(日本)でこれを産出する所も少なくない。また中国の書物に出るものも甚だ多い。続篇にこれを出すべきである。
後編
金鱗石 三十二
私の珍蔵の一つに金鱗石がある。その形は円く少し長く、鶏卵のようである。外に黒色で堅硬な皮があり、これを割り去ると全体に金色の鱗がある。若い松かさの大きなもののようである。佐渡国で金を掘る穴の中で稀に得られる。