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【右側】
と申せは実に尤と夫に同し速に放ちやりしに暫くは
いつちへか行けん見へさりしが又その鳥立戻り以前の如く
舟内へ飛入けるその時申は此鳥一度は放ち再ひ立
戻来る事あやし誠や我国の神〳〵我等十三人
の飢餲をあはれみ給ひ食の足しにもと授け玉ふならん
有難しと日の出る方を伏拝みその鳥を包丁して
日々纔つゝ是を喰ふ事数日飢餲を凌きぬ兎にも角
【左側】
にも目に見る物とては天の大空地の青海月日の光
はかり也風荒く波高く舟震動する事やむ事なく
片時眠らはやと思へ共人を鞠のことくあなたへ飛し
こなたへ投打ことく舟の内にころけまろひそれにとり付
是にすかり付て身の置所もなく苦しむ事皆人同し
斯る日和には釣する事も及なく食物の題立たる物
とてもなく只酒砂糖の外貯なし鮫大鳥釣の魚にて