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【右側】
十三人の命をつなきとめ魚釣得し時は水なけれは煮る
事不能酒砂糖の中に煎交又は火に《振り仮名:焚|焼》喰ふも飢しのく
迄の事にて胭かはきても呑水なけれは降雨をまち
たま〳〵口しめす迄にて日に増夜に増気力衰へ居眠り
ては夢に驚き現におびへ日を追時を追寒空に打向ひ
灘風はげしく身の上覚束なき事になりぬ
一寅二月二日になりて猶更灘風励敷夜とて焚火する
【左側】
薪なけれは帆柱の切株も焚物にし雨降り風つよく
くらき夜とて月影火影なけれは互の声のみたよる
舟子共風波にもまれては奈落に沈み又海上に浮みこと
更冬の夜の長き事かゝる時こそ猶長く只夜の明るを
待久しく明ても漂ふ波の上なれは詮方なくも日を暮し
夜を明し寅正月元日にそ成けるけふは正月元日也
年の始に我々共米一粒つゝにても喰得て歳旦を