翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

島原漂流人太吉物語 - 翻刻

島原漂流人太吉物語 - ページ 9

ページ: 9

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【右側】 不叶あまたの日数重りける内舟の浮ミたる汐際 より下に汐に湿りたる所に出来る物あり是は所替り 潮の菜にや牡蛎うにがせの出来る様ならん長サ二三寸に して丸ミ指の廻りはかして其中半分の先も貝 の《振り仮名:実|身》ありよく凪たる日和に是を取にも舟人替り〳〵 船中に小網をかけ舟にくゝり付置海中に飛込舟の 脇に置るかき体の物を諸手をかけ引もぎ舟より釣 【左側】 さけ置たる小桶へ入是も食事のたしにそしけるある 時また不思儀なるは海上に住る大鳥舟の内へ飛入たり 翅ひろけたる時は六七尺もあらんか是をとらへ此鳥こそ 我々飢の助けにも成なんと殺しにかゝらんとする時又 その中に申はまてしばし我々大難にあひ万死一生と いふは此時也斯る時生ける物の命をたち我々か飢をし のがん事勿体なし生けて放ちやらん事善かるへし