翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

島原漂流人太吉物語 - 翻刻

島原漂流人太吉物語 - ページ 13

ページ: 13

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【右側】  ひたすらに神仏を祈るの外他事もなくうつほ舟に  やとる身は空蝉のうつせ貝の腹をかゝへかねてそ有ける  二月二日にも及し朝影に島か鳥かとうたかひ見その  中に段〳〵と近寄来るを見渡せは異国の舟にて  有けるか碇も入れす段〳〵とまきり帆にて我舟の側近  く乗廻しなから小舟をおろし幾度も我舟を打  廻り其末我舟へ漕付けてんまに鉄炮五挺餝り備 【左側】  異国人四人我舟に乗移り何か詞を申せとも分ら  さるまゝに仕方にて酒をくれよとの模様を悟り恐し  さのあまりには随分可遣との仕方を致せは又一艘てん  まをおろし荷物の内酒三十丁砂糖十八丁積取にし  けるゆへ此上は舟に残り居ても給物なけれは落命早し  と乗組共相互に申合せせんかたなくとても命は  なき物とおもひはまりて異国舟に乗うつりぬ