翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

島原漂流人太吉物語 - 翻刻

島原漂流人太吉物語 - ページ 14

ページ: 14

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【右側】  二月二日より異国舟に乗うつり三月十六日此舟碇  を入昼頃より此所にかゝり十日はかりは湯水をあたへ  其後日本人には決て湯水を与へす然れとも舟仕事  には日本人も遣ひけるゆへ身心労るゝ斗にて側なる人も  貌二ッに見へる程に悩み果ける然るにその夜五ッ過頃  皆々伏居けるを起してんまに乗せ岡へこき付その内  七人上陸させ異国舟はその夜卒に出帆しけるその時 【左側】  七人の者何と致すへき様なく互に只見合せ物いはす  しらぬ国の磯はたに捨られ互に愁歎の外他事なし  やゝして案するに昼の内に水取に上りしゆへ水をくに  あらは一口つゝ呑なんと其内達者なる者一人小道の  有けるをたどり一丁斗り行て見るに二軒家あり直に  立戻り六人の者にしらせける故十六日の夕さやかなれ共  とぼ〳〵たどり件の家ある所迄着一軒の戸を敲け