翻刻
【右側】
は老人戸を明るゆへ我々日本人にて此所に上陸し
難儀の次第申けれとも言語わからす仕方をさとりしや
主人とおほしく伏ゐける人に何かと申せは主人若き
人と見へしか日本人七人を外に出し木の下に牛の皮を
敷休せける誠に懇ともいふはかりなし明れは十七日の朝
隣の家より呼寄せけるゆへ七人参りしに白水のやうなる
物を小丼八ッ目斗入あたへ又麦菓子体の物を与へその
【左側】
二品朝昼受也朝飯也のようすにて有ける右の品にて
少し飢をしのぎ其後世界の絵図を見せ双方より
物いへともわからず国所印あれとも横文字にて猶分らす
日本人と申事はさとり居けるゆへ最初に指にて押へ
長崎と申ける故身長崎と答ける其内前夜戸を敲し
家より呼に参り又々七人ともに参りしに隣家にて与へける
丼の白水菓子昼飯に与へし故皆々是を食して腹