翻刻
【右側】
内折合付気分すつかりと取直しける絵図を見せし
隣の人馬にのり何方へか行けん日本人はその夜も木の下
にて夜を明しける十七日の朝起上り四方を見渡せは
三月中旬也しに木々の梢皆白枯したる色にて下枝
下草なとは青み持たる也《割書:カルホルニノサントウカといふ所也|北アメリカ州カルホルニー《割書:国|名》の内サントウカ》
小舟に白水のやうなる物与へし牛の乳汁にてそ有ける
菓子様の物は唐薯を粉にして平めに押延焼たるもの
【左側】
牛の乳汁には白砂糖を掻ませ請て悪からぬ物也又
明れは十八日朝小舟一艘差出し是にのれと申仕方ゆへ
七人共に乗ける海上五里斗有ていつくの浦にや有
けん雨降さる国にて梢は青み持さるよし此二軒家
畑菜園らしき所もなく是ゟ五里斗り先に参る
されは畑もなきよし海上五里斗行ケルカルホルニノ
サンホセと申所にて城下をメヒコと申故一体をメヒカノと