翻刻
【右側】
するは常の事也然れとも此国にて子を呵りたる事
を見す聞たる事もなし
一此所へ有付十日斗りして別宅バウロ方へ唐藜の
実落しに加勢に参る此節は八ッ頃芭蕉の実を茶
受に遣す芭蕉畑に二三丁斗り植付有此芭蕉の
実枝なから切取内に取入れ風当ぬ所に三月程つり
提置候へは実熟して和らかになる其皮をさり喰ふ
【左側】
に味みを持風味よし
一此所西南に行きたる国にて冬分たり共寒き
事なく八月下旬比の時候也七八月の外年中雨降ざる
国にて土地畑共灰のことし川水通路の畑斗り四五日
置に川水を廻し耕作する也能地向にても一向耕事
不叶春三月比ゟ暑気催四五月の比暑はげしく
六月なれば少し涼し七月降雨の潤にて雷鳴あり